世界の果ての赤き丘

二次小説、日々の地球人観察記などを書いています。
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Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 Interlude

その謎は秘匿された。

表上はG弾の影響によるものや偶然に地球に飛来した隕石や米軍の新兵器という噂を流布し真実を隠した。

士気の低下を防ぐための各国の首脳陣の決定だ。

しかし、裏ではあの日以来各国で様々な解析が続けられている。

分かったのは、記録写真に映し出された剣らしきシルエットの飛来物がBETAを消滅させる武器である事。

飛来物の残留物は一切無い事。飛来物が直撃した戦術機は皆無である事。巨大な建造物であるハイヴを破壊する莫大な威力を持つ武器である事。

そして謎の飛来物の発射位置とされる日本の象徴でもある富士山の唐突な活動停止だった。






Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 Interlude





「ハァ……」


夕呼の寒々しい溜息が部屋に木霊する。

明星作戦が終了し、いろいろな物を得る事ができた。

これで兼ねてから準備を進めていたオルタネイティブⅣが加速するだろう。

もちろん邪魔な奴らもいるし、正直猫の手を借りたい状況である事は変わりはない。

それでも作戦前から考えていた案件についてはすべてクリア出来たから満点だ。

次のステージに進む事ができる。

だが、


「なんだっていうのよ。あれは……」


夕呼の頭の中には明星作戦を終了させたあの砲撃がどうしても離れない。

片っぱしから手に入れた映像に映し出されるのは、どれも剣ばかり。

高速で飛翔していたため記録用のカメラで写しきれず、鮮明な写真がほとんど無いため確信は出来ないが写真から立体構成すると現れるのは必ず剣なのだ。

それも戦術機が使うような巨大な物ではなく、人間が扱う物、少なくともサイズは人間サイズである。


「そんなもんでどうやってBETAを殺したっていうのよ。せいぜい数十人がかりで兵士級1匹を何とか倒せるような武器じゃないの」


そして発射位置の観測報告書には巨大な物体の移動跡は無く、人の足跡と思われるものが1人分見つかっただけ。残留痕も無し。

科学的な力、例えば火薬を使って発射したとすれば周辺には必ずその痕跡が残るはずなのだ。


「スーパー超人が一つ一つ手で投げたわけないわよね。ていうかそんな奴がいたらBETAなんて楽勝で殺せるか……」


少なくとも数万人の人と重さ数キロから数十キロの物体を100㌔近く投げれるような力が必要なのだ。

どんなに肉体改造をしても100mが人類の限界だろう。戦術機でさえ腕力だけでは無理だ。


「人間一人であんなことできるわけないじゃない」


それでも夕呼はいろいろと考えてみた。

空中に何らかの方法で磁場を形成し、電磁砲の要領で発射したというのが今のところ有力であるが、あくまで他のものよりは現実的であるという考えだ。

だが、そもそも自然界に莫大な磁場の形成をしたら、付近に生身の人間がいれば感電もしくは発射時の熱で黒コゲで死ぬ。

砂があれば必ず鉄などの金属類が微量に含まれているし、磁場の形成は莫大な電力がいる。更に巨大な装置が必要だろう。

これらをクリアしたとしても、100㌔近い距離を態々剣という形の砲弾で誘導装置なしでBETAのみ狙い撃ちなど神のみ業としか言いようがない。


「それに、なんで一切の痕跡が無いのとBETAを消滅させる力があるのかよねぇ」


そう、飛来物と思われる痕跡は一切ない。剣の破片と思われるものは全く発見されず、剣が直撃したBETAは文字通り消滅した。

質量保存の法則を真っ向から無視して、肉片から血の一滴も残さずだ。目撃した兵士の話では死体にも剣が当たっているのを見たという証言がある。

生死を問わずにBETAの肉体のみを消滅させるなんらかの方法があるという事になる。


「ハァ……本当に神様の仕業かもしれないわねぇ……」


考えれば考えるほど分からない問題に、ついに信じてもいない神に丸投げする夕呼だった。










炎が舞い、空を赤くてらし、赤茶けた大地に無数の剣が突き刺さる。

その上をゆっくりと巨大な歯車が音を立てながら回り、どこからか風を勢い良く吹き込む音と鉄を叩く音がする。

舞いあがる砂煙に思わず袖で口元を覆う。


「ここは……」


見渡す限り人はいない。

そのうち自然に足がカーンカーンと鉄を打ち付ける音の方へ向いた。

最初はゆっくりと着物の裾が汚れないように恐る恐る歩を進める。

そのうち早足になり、ついには裾を持ち上げ走り出した。


30分ぐらい走っただろうか、鉄を打つ音がすぐ近くから聞こえる。

カーンカーンとリズミカルに。

ただ、その音はどこか悲しい響きを秘めているように聞こえてならない。


そして唐突に声をかけられた。


「悠揚、君は正義の味方をどう思うかね」


後ろに振り返るといつの間にかアーチャーと名乗った出会って間もない男が炉の前に座っていた。


「……弱い人を助けて悪を懲らしめる人だと思います」


ちょっとだけ躊躇して当たり障り無い回答を溢す。


「ふむ。では、家族が人質に取られ仕方なく人を殺した男は悪か?」


「それは……わかりません」


「君の大切な人が死にそうな時、別の場所で多くの人が死にそうな状況に陥ってる。一方に行けばどちらかは助かる」


「何を……」


「君はどうする悠揚?どちらを助ける?」


思い浮かぶのは自身の半身である人、もう一方はあの剣を取った日に誓った帝国民を守るという誓い。

天秤に掛けたときどちらが重いかは決まり切っている。


「わ、私は。こ、国民のために……」


「その答えに偽りは無いか?後悔しないのか?大切な人が死んでしまうんだぞ?二度と会えなくなる」


ゆっくりとこちらの目を覗き込んできた彼の表情が見えない。

声だけを淡々と紡いでいる感じでまるで人形だ。

でも、彼の問いは自分がいつか突きつけられる選択の一つにすぎない。

政威大将軍としての道はあの日に決めた。心の整理もつけた。

恐れる必要は無い。

ハッキリと答えればいい。


「それでも、それでも私は国民を取るでしょう。それがこの国の長としての役目ですから。
 後悔はすると思います。でも、後悔を引きずって前には進めません。
 だから、前を見つめて私は進みます。
 それが修羅の道であろうとも」


「……そうか。その選択が間違いだったと君が後悔しない事を祈ろう」


「それで、あの、アーチャーさんここは?」


それに答えずアーチャーは燃え盛る炎に腕を突っ込み何かを引きずり出した。


「悠揚、君は強大な力を手に入れる事になる。それこそBETAを世界から駆逐できるほどの力を。
 だが、代償もまたとてつもなく大きい」


ゆっくりと立ち上がり、こちらに歩を進めてくる彼の手には宝飾された短刀が握られている。


「世界は息絶えようとしてる。だが、まだ死んではいない。
 守護者の概念を取り入れた世界は反撃する機会を手に入れたのだ。
 諸刃の剣であり、人類にとっては敵になるかもしれない力」


目の前に立ったアーチャーが悠揚に短刀を差し出した。


「力が欲しいか煌武院悠陽?」





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あとがき

今回は短め。

次回から謀略編。

基本帝国内ペースでいきます。

バトルというほどのものはないですね。
帝国内の話中心でいくからオリキャラを出さないといけないんですが、名前を考えるのが難しい。
なので、名前募集します。
有名人の名前は却下。
基本脇役キャラと悪代官的キャラの名前募集。話の中心に食い込むオリキャラは出しませんのであしからず。
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[ 2013年10月16日 15:14 ] カテゴリ:Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 | TB(0) | CM(0)
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地球外生命体タモちゃん

Author:地球外生命体タモちゃん
惑星タモタモから来た調査員

趣味 読書、昼寝、料理
好食 梅干おにぎり
嫌食 刺身(生もの全般)

マッタリ、モッタリ生きていますので(^ー^)ノ ヨロシク  

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