世界の果ての赤き丘

二次小説、日々の地球人観察記などを書いています。
世界の果ての赤き丘 TOP  >  スポンサー広告 >  Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 >  Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 05

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 05

Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race

通称BETA。

1958年。

火星にて存在が初めて確認され、正式に地球外生命体と認知する。

その後はこの生命体に接触しようと各国が技術競争を開始。

これにより爆発的に科学が発展していく。

1967年。

科学の発達により国際恒久月面基地が建設され、巨大な宇宙進出に伴う補給港及び整備港が開港。

同時にすでに各国で発足した航空宇宙軍が次々に国際恒久月面基地周辺に自国の基地建設を開始。

月面への大量の資材搬出が進む。

さらに月の見えざる面、所謂暗黒地帯への調査が開始される。

そして調査開始5日後。人類は初めて、サクロボスコクレーターにてBETAと思われる生命体と接触。

しかし数分後には調査チームは全滅。

その後、次々に月面にBETAが出現。

これにより第一次月面戦争勃発。双方に多大な被害をだし、事実上は勝利者なしの一時的な戦争終結となる。

しかし、被害規模が甚大であっため、人類は月から一部撤退を決定。

1968年。

BETAを脅威になりうる敵として、米軍が対BETA武器の開発着手。宇宙開発で培った技術を導入し、戦術機の試作にはいる。

その後は機械化歩兵装甲開発などにより月奪還作戦などを幾度も展開。

しかし、完全なBETA殲滅は叶わず。

1972年

アメリカで試作戦術機完成。各国に技術公表を行う。

これにより戦術機の技術競争が加速していく。

1973年

中国新疆ウイグル自治区喀什にBETAの着陸ユニットが落下。

史上初の地球上での戦闘が勃発。

当初は中国軍が優勢だったが、光線級の出現により航空戦力が無力化され、高速で飛翔する遠距離ミサイルでさえ撃墜されるようになり、事実上既存兵器では対処出来なくなる。

これと同時に人類は地球での戦闘に資源を集めるために、陥落寸前の月面基地を放棄。完全に月がBETAの支配地となる。


以後、新たな兵器や核の投入するも人類は敗退続きとなり全人類の人口の68%を消失する。



そして時は経って1995年8月8日

この日が新たな歴史の1ページの序章となる事を誰も知らない。

数年後に戻ってくる1人の男が知らない始まりの光。






Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 第5話







明星作戦。

大東亜連合軍・米軍を主力とする国連軍が本州奪還作戦。

目標は数ヶ月前にBETAによって進行・壊滅された横浜奪還及びその場に形成中のBETAの巣の破壊。

人類史上初の多国籍大規模軍事作戦である。

8月5日に開始されたこの作戦は数多くの犠牲者を出しながらも、現在では地表に出てきたBETAの60%を撃破。

すでに一部の隊がハイブ攻略のために突入を始めていた。

しかし、時間がかかり過ぎているために部隊の損耗率が増加。次第に陣形は崩れつつあった。





『こちらハマー隊、ポイント4の光線級はすべて殲滅。しかし、部隊の損耗が激しい。一時後退する』


「了解。速やかに第二補給ポイントまで後退せよ。オスカー隊が代わりに向かう」


『了解した』


目まぐるしく変わっていくスクリーンの光点。

いずれも中心に向かい、戻ってくるもしくは中心で光点が消えるを繰り返していた。

最早作戦ではない。砂糖を見つけた蟻のように突撃しているような状態だ。



アーチャーが召喚されて5日目。

すでにこの世界の情勢は紅蓮の話と資料などからアーチャーの頭にはインプットされている。

そして現在行われている明星作戦についても。


「ここ数日BETAというのを見てきたが、人類を滅ぼすという意味がよく分かるな。確かにこれだけの数に戦闘力ではやすやすと勝てまい」


そう呟くアーチャーの目の前のスクリーンには、次々に砲撃によって駆逐されていくBETAの姿が映し出されていた。

そして大量のBETAに飲み込まれていく戦術機という兵器の姿も。


「ま、最優先の我らが人類の敵だよ」


隣の鎧衣が相槌を打つ。


「最優先……という事はその後は国か……どこの世界も最後は己らの欲だな」


「ふふん、アーチャー君。欲がないと人間は生きていけないよ。人間の社会生活は欲で動いているんだからね」


「分かっているさ。ところでお前はここにいていいのか? 忙しいはずでは?」


「戦時中は情報規制が厳しくてね。情報部は半休になるんだよ。渡航制限もあるからね。
 それに本作戦は多国籍軍だ。情報漏えいを心配してどこもピリピリしていて仕事どころじゃない」


肩を竦めながら答える鎧衣。いつも通りのスーツ姿であるため、斯衛の制服を着ているこの部屋にいる人間達の中で浮いている。

そのため肩を竦める動作が滑稽に見える。

もちろんアーチャーも召喚された時の服装、赤い外套に黒の上下なのだが、赤い外套で体を覆っているので赤の斯衛服に見えなくもないためそこまで浮いていない。


「それで、暇つぶしか?」


「そうとも言うけど、私がウロウロしていると目をつけられて何を言われるか分からないからね。
 殿下のそばにいた方が楽なんだ」


「フッ、嫌われ者は大変だな。まぁ、お前が傍にいれば私も姿を現しやすい」


「それはそれは」


ニヤリと笑いながら目深に帽子を被る鎧衣。

将校の1人がこちらを注視していたのだ。


アーチャーと鎧衣がいるのは元枢府内の議場兼司令室。

政威大将軍である悠陽の仕事場の一つみたいな所である。

ここには現在さまざまな明星作戦の情報が集められており、その報告を悠陽が逐一聞いているのだ。

その悠陽の顔には濃い疲労が浮かび上がっている。

明星作戦開始から3日目。ほぼ不眠不休で働いているのだから当たり前だ。


「そろそろ、悠陽も休ませないと体が持たんぞ」


その様子にアーチャーは諦めが混じった声で呟く。


「休まないと思うよ僕は。殿下には責任という圧力と責任を背負おうとする意思があるから。
 正式に政威大将軍にならせられてまだ数日しか経っていないのに、殿下には重すぎる責務だけどね。
 まぁ、どうしてもというなら君が言えばいいじゃないか」


「私があの場に近づけられるわけないだろ。警戒されている」


「それを言うなら私もだよ。あそこにふんぞり返ってる橘大佐なんてさっきから私と君の事を調べるように何度も指示を出している。
 まったく小物だねぇ」


「よく分かるな」


「これでも視力は良くてね。見たくもない男の唇を眺めてしまうんだよ。
 どうせなら殿下の瑞々しい唇を拝見していたいのだが、残念ながらあの様子ではこちらから見えない」


「ほぉ、読唇術か」


侮れないなこの男と改めて思うアーチャー。

読唇術というのは読んで字の如し。唇の動きから相手が何を話しているのかを探る方法の事だ。

だが、これには相当の努力と読解力が必要であり易々とは使えない。

悠陽が手元に置くのも納得が出来る技術である。


「それにしてもこのままでは最終的に押されるな」


「どうかな。どこぞの国が最終兵器を持っているからねぇ」


そう呟く鎧衣。

視線の先のスクリーンからまた一つ光点が消えた。









「ヴァルキリー1よりヴァルキリーズ各機へ、予定ポイントの確保に時間がかかり過ぎている。なんとしてもここは確保しろっ」

『了解っ』


伊隅の檄に全員が返答を返す。

が、その声には出撃時とは比べ物にならないくらい疲弊していた。


「くっ、まずいな。補給コンテナはあるが機体状況に衛士の疲弊が出始めたか……」

その呟きにも焦りと疲弊が混じり合っていた。

香月夕呼博士直属の特殊任務部隊【A-01】、通称伊隅・ヴァルキリーズの隊長である伊隅みちるは隊の状況確認する。

元々は連隊規模だったものが特殊任務で伊隅の隊しか残っておらず、そのため作戦行動が厳しい物になっているのだ。

そのため既に1名がBETAによって戦死、1名が機体中破のため途中で後退、現在このポイントにいる11名のメンバー達の機体は小破もしくは損耗している。

あまり無理が出来ない状況になりつつあった。


「せめて支援砲撃があれば……」


存在自体が秘匿されているA-01部隊に支援砲撃は最初の一斉砲撃以外はない。

だからこそ、エリートと言われるほどの戦術機の腕が必要なのだ。

しかし、いくら腕が良くても圧倒的な物量で攻めてくるBETAには敵わない時が必ずある。

戦術機も万能ではない。動けば動くほど機械には負荷が加わり磨耗していくのだ。

最低3日に1度は整備しないと動きが悪くなってしまう。

明星作戦が開始されて3日たって整備などせず、ほぼずっと戦場にいる状態で、さらに最前線部隊であるA-01部隊の戦術機の稼働時間は異常と言っていいほど長い。

武器や燃料は交換できるが機体の交換は出来ない。


「……っ!HQ、こちらヴァルキリー1。支援砲撃もしくは支援部隊を送れないのか? もう、限界が近い」


『伊隅、状況を説明しなさい』


「香月博士!?どうしてそこに……」


伊隅は突然聞こえてきた香月夕呼の声に驚いた。

少なくとも自分と通信してるHQは第2防衛ライン状にある。つまり後方と言っても危険地帯だ。

本来なら第5防衛ライン。つまり、司令本部にいるはずの人間である。


『どうでもいいでしょそんな事。で、状況は』


「失礼致しました。現在最優先確保ポイントを攻略中です。
 しかし、部隊の損耗が激し過ぎます。
 機体の不調も出始めており、何かしらの支援を要請します」


『……予備ポイントは?』


「すでに確保してあります」


『予備ポイントまで下がっていいわ。米軍が“アレ”を使うわ。下がらないと死ぬわよ』


「まさか!? 帝国の許可なくですか!?」


『そうよ。分かったなら予備ポイントまで下がりなさい。これは命令よ』


「り、了解しました」


戦場で動揺するなと自分に言い聞かせ、一度だけ大きく息を吸うと各機に通信を繋ぐ。

一瞬、自分の隊に組み込まれたたった一人の男である鳴海の顔が思い浮ぶ。

彼は戦場であるこの地域の出身者だ。

その彼には残酷な事を言わなければならない。


「ヴァルキリー1よりヴァルキリーズ各機へ。香月博士の最優先命令だ。
 戦線を維持しつつ予備ポイントまで後退する」


『何でですか隊長!もう少しでここは落とせる!俺たちの町を取り戻せるのに!』


「(…やはり鳴海か)論議をするつもりはない。
 ……もうすぐここは消滅する」


『まさか……』


「各機、命令は聞こえたな。後退を開始する。
 宗像は先頭で道を開け。その後に各自で撃破しつつ後退していく。風間は隊全体の支援攻撃。
 殿は鳴海と私で行く」


『待ってください。米軍がG弾を、G弾を帝国に落とすというのですか!?
 俺の、俺の町がっ』


「議論はしないといった。これは命令だ鳴海少尉。
 後退開始する。復唱しろっ!」


『ちくしょうっ……鳴海少尉、後退を開始します』






8月8日 14:16

それは唐突だった。

特殊弾頭に包まれたG弾を内包したミサイルが相模湾沿岸米軍艦から2発発射。

迎撃しようとする光線級のレーザーをその身に受けつつも、1発は打ち落とされるが残りの一発がミサイルの速度と特殊弾頭の強固な守りで突破。

遂にミサイル内部のG弾が横浜ハイブ上空200m地点で炸裂した。

それは逃げ遅れた一部の国連及び大東亜連合軍を巻き込み、モニュメントと呼ばれるハイブ地表構造物の一部を破壊した。

その5分後に3発目が発射されハイブ手前500m地点で炸裂し、モニュメントの上部を完全に破壊し地表にいたBETAを一掃。

奇怪な構造だったモニュメントが下部だけを残して消滅した事とBETAを一掃した兵器に戦場の兵士達に興奮した。

これなら勝てると。

逆転の光を見た兵士達は、次々に砂塵が舞う荒野と化した台地を踏みしめハイブへ進んで行く。

だが、帝国軍や一部の国連軍は呆然としていた。

圧倒的破壊力を持った凶悪な兵器を事前報告も十分な撤退勧告もせずに、行われたその一撃に怒りを持たない訳がない。

戦場に出ている兵士達は興奮しているため気づいていないのだ。

自分達の仲間が軍によって無駄に散らせられた事を。日本帝国という国家の領土に向けて行われた所業に。


そして3発目のG弾の炸裂と共に、呆然と固まっていた元枢府議場内に一人のまだ若い女の絶叫が響き渡り、一人の男が跡形もなく消え去った。





あとがき

とりあえず次回で明星編終了。
遅々として進まなくて申し訳ない。
でも、次回が物語の核心の一つとなる重要なシーンになります。

ちょっと最近はオルタの物語の記憶が無くなってきたので書き難くなってきた。
それが心配です。
他の人のSS見ながら記憶を掘り起こしている次第であります。
だから一部の方だけに公開している質問掲示板に久しぶりに質問を出す日が近いかもしれません。
その時はよろしくお願いします。

それでは次回をお楽しみにw
明星編最終話です。



スポンサーサイト
[ 2013年10月16日 15:09 ] カテゴリ:Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 | TB(0) | CM(1)
 G弾って撃墜不可能じゃありませんでしたっけ?
 ようは安全装置なしのムアコック・レヒテ機関な訳だから、常にラザフォードフィールド纏ってるわけで、独自設定ですか?
[ 2013/10/18 01:19 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

地球外生命体タモちゃん

Author:地球外生命体タモちゃん
惑星タモタモから来た調査員

趣味 読書、昼寝、料理
好食 梅干おにぎり
嫌食 刺身(生もの全般)

マッタリ、モッタリ生きていますので(^ー^)ノ ヨロシク  

質問などは此方へご連絡を       

フリーエリア

FC2カウンター
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。