世界の果ての赤き丘

二次小説、日々の地球人観察記などを書いています。
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Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 02

―――――赤い

―――――視界がすべて赤い

―――――燃えるように熱い

―――――周りは炎に包まれ、体は少しも動かない

―――――何かが焼ける異臭が鼻につく

―――――ちらりと眼球を動かすと、視界に入るのは黒焦げの何か

―――――聞こえてくるのは、何を言っているのか分からない叫び声

―――――ここがどこだかわからない

―――――どこからかザッザッザッと地面を蹴立てながら、小走りに誰かが来る

―――――その誰かが何かを言いながら、私を抱き上げた

―――――抱き上げた彼の顔は……







Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 第2話





「……ここは?」

「殿下、大丈夫ですか? ずいぶんうなされていたようですが……」

悠陽が目を覚ますと、自分の侍女が心配そうにベッドの側に立っている。

キョロ、キョロと辺りを見回してみると、ここは自分の部屋だということがわかった。

簡素な装飾と広い部屋にいくつかの家具しかないさびしい自分の部屋だ。

ふと、自分がなぜ此処にいるのか分からなかった悠陽は、側にいた侍女に尋ねた。


「あの、私は……」


「儀式の後にお倒れになったそうで、医師は過労とのことです」


「儀式?」


ようやくそこで悠陽の寝起きの頭が回り始めた。

突如巻き起こった風とまぶしい光

その中から現れた赤いコートを着た長身の白髪の男

彼は私の手を握りながら、「これより我が身は煌武院 悠陽の為の剣となり楯となる。君の命に従い、君の為に道を切り開くことを誓おう」と言ってきた。


「殿下? 殿下!」


「あ、はい!」


「お体の調子がまだお悪いのですか? 顔が赤いようですが…」


「え、あ、いえ、何でもありません。大丈夫です。ほら、なんともない」


そう言うと悠陽はベッドから降りると、パタパタと手を振った。


「そうですか…ならいいのですが。何かあったら言って下さいね。殿下はすぐ無理をしますから」


「わ、分かりました。大丈夫です」


とそこへ、コンコンと誰かが扉を叩いた。


「誰ですか?」


「はっ、紅蓮であります」


「よい、入れ」


「失礼します」


ガチャリと扉が開き、紅蓮がその大きな体を少し屈めながら部屋に入ってきた。

入れ違いに侍女が一礼して部屋から出て行く。

扉が閉まるのを確認してから、紅蓮は話し出した。


「殿下、お体のほうは?」


「心配ない。私は大丈夫だ」


「それは何よりです。ですが、あのような事があったのです。十分お体には気をつけてください
 あの者が言うには、万が一の場合は殿下の体に、その少々負担が掛かると言っていたので」


「あの者?」


「あの白髪の青年です。アーチャーと名乗っている男です」


「あ、その男は?」


「隣の私の執務室にいます。少々事情を聞いていたので」


「そうですか、ではその者を此処へ。私も事情を聞きたい」


「ですが、まだ怪しいところもありますし、そのあの男が言うには自分は幽霊の類だと……信じられないことに私の目の前で消えたりしました。
 私は、そういうのはあまり信じないのですが、さすがにあれを見ると…それに武器の類を隠し持ってるようで、危険かと」


悠陽はポカーンと口をあけながら、紅蓮の説明を聞いていた。

いや、聞いているというよりは、紅蓮の後ろを見ている。


「? いかがしましたか殿下」


「……いえ、その幽霊の類というのは理解できました。確かにあのような事が出来るのは幽霊か物の怪ですね」


そういいながら悠陽は紅蓮の後ろを指差した。

その白い指先をたどりながら、紅蓮が後ろを振り向くとそこには腕を組んだアーチャーが静かに立っていた。


「…貴様どこから入った?」


「入るのは容易い。それにマスターが目を覚ましたのだ。
 様子を見に来るのは普通だと思うが」


悠陽はしっかりと見ていた。

深い霧の中からゆっくりと出てくるかのように、紅蓮の後ろにアーチャーが現れたのを。


「さて、マスター。体の調子は戻った様だな。まぁ、一流の魔術師でも倒れそうになるぐらい大変だからな、サーヴァントの召還は」


「はぁ…」


「ん? どうしたマスター。あぁ、悠陽と呼んだほうが言いか?」


ポーと悠陽はアーチャーを見ていた。

最初に見たときは、赤いコートを着ていたが、今は脱いでいるのか黒い服装で立っている。

よくよく見てみれば、紅蓮のようにがっしりとした体型ではなく、ほっそりとした体型。だが腕や首元を見れば相当に筋肉がついているのがよく分かる。

遠目からでも目立つ真っ白な髪に、日本人にはあまり見られない浅黒い肌。

そして何より惹かれるのが、鷹のように鋭いがきれいに澄んでいるその目だ。


「どうした悠陽?」


「馬鹿者! 殿下を呼び捨てるなど恐れ多い。殿下は怒っておられるのだ」


「む、そうなのか。では、なんと呼べばいいのだ?」


「あ、……悠陽でいいです、えっとアーチャーさん」


あわててアーチャーに悠陽は言った。

本来なら誰かも知れない人物、それこそ斯衛兵でもない者に自分の名を呼ばせるのは正直躊躇う。

それに、周りの者たちにも示しがつかない。

だが、それでも悠陽は彼には名で呼んでほしかった。


「殿下よろしいのですか? 他の者にも示しが…」


「紅蓮。ちょっとだけ……ちょっとだけわがままを言わせてください」


「それは…」


紅蓮は、そのか細い声での悠陽のお願いに声を詰まらせた。

たった15歳という歳でこれからの日本を導いて行かなくてはいけないのだ。

その責務に比べれば、こんな小さなお願いぐらいたいしたことはない。

そう紅蓮は思った。


「分かりました。ご自由に」


「ありがとう紅蓮。では、アーチャーさん、改めて私のことは悠陽と呼んでください」


「了解した悠陽。これでいいかな?」


「はい!」


その後、アーチャーは、まず悠陽に自分の存在がどのような物なのか説明をし、その後紅蓮に話した事とほぼ同じ事を話した。

そして、確信の部分に話を進める。


「さて、理解は出来たか?」


眉間に皺をよせながら、難しい顔で聞いていた悠陽にアーチャーは尋ねる。


「その……サーヴァントと言うのがどんな物かは一応理解はできました。貴方がそういう存在であると言う事も。
 ですが、魔術ですか? それがどういう物なのかは、その、よく分からないのですが…」


「なるほど、君は紅蓮大将よりは頭が柔らくて助かる。この男頭が固くてな」


「ふん、大体いきなり貴様が話した夢物語を信じられるか!」


「紅蓮、落ち着きなさい。で、その魔術と言うのは?」


「そうだな。魔術と言うのは一定の条件を満たしたとき使える力の事だ。もちろんこれは万能ではない。魔術で使えるのは時間をかければ科学の力でも再現可能なのだ。
 簡単に言えば、火を熾すのに魔術を使うかライターを使うかぐらいの差だな。
 だが魔術は極めれば火を熾すにもライター以上の火力を熾すことが出来る。まぁ、それもミサイルを使えばかわらんがな。
 大体は、こんなところだな」


二人とも難しい顔をして、何も言わない。やはり理解ができないのかとアーチャーは思った。
もともと魔法や魔術といった神秘的な事に関する概念が薄いのかもしれない。


「そのよく分からないのですが……つまり魔術を使うよりは化学の力を使ったほうがいいということですか?」


「時と場合によるがな。だが戦闘するなら圧倒的に魔術が強い。なぜなら科学のような大規模な施設は要らないし機械もいらない、使いようによっては呪文…言葉を紡ぐだけで爆弾並みの破壊力を起こす事も可能だ。
 つまり一流の魔術師は魔力が続く限り、そんな攻撃がいくらでも出来る。まぁ、制限もいろいろとあって簡単には出来ない事が多いが…」


「では、貴様もそのような魔術を使えるということか!?」


信じられないといった顔で紅蓮がアーチャーに詰め寄る。


「そうだ。魔力というエネルギーがある限りはな。だが、人が持っている魔力には限界があり、いつまでも使えるというわけではない。
 そして私はサーヴァントだ。先ほども説明したが、私は悠陽から魔力を供給させてもらっている。
 悠揚の魔力はとても多く、私を現界つまり存在させておく事ができる。これがそこらの一般人だったら一瞬でミイラだ。
 そもそも本来なら聖杯からの加護により、現界はたやすいのだが今回の召喚はそれがない事が問題なのだがな」


「つまり貴方は私の魔力ですか? それによって存在しているという事ですね。そして私の魔力が足りないから魔術は使えないと」


「使えないわけではではない。そうだな2回ぐらいは魔術行使は可能だ。それ以上は君に負担が掛かる。
 それに今回の召喚は私もわからないのだ。想定外の召喚だからな。
 本来の力が取り戻せる方法があれば、今以上の力を使うことができるだろう」


「なんだ、きさ……アーチャー殿はほとんど人間と変わらんということか?」


「ハッ、分かっているのにそれを私に聞くのか?
 ただの人間がサーヴァントに勝てるわけがない。純粋に力の差が大きい。
 たとえお前が10人いても私に勝つことは無理だろう。お前ぐらいの武人なら言わなくても分かっているはずだ」


そのアーチャーの言葉に紅蓮は苦い顔をした。紅蓮にはアーチャーが言っている事が正しいことは分かっていたのだ。

自分が切りかかった時のあの対応の素早さ。閃光の様な太刀筋。一撃一撃がとてつもなく重い。冷静な判断力。

そして自分の利き腕を踏み砕いた瞬間の冷徹さ。

武人としては技が荒いところがあるが、戦闘者としては確実に一流だろう。


「そうなのですか、紅蓮?」


「……確かに私はアーチャー殿には及ばないでしょう。長年、無現鬼道流をやってきて、この流派こそ最強だと誇りに思っています。
 ですが、彼はおそらく技がない。彼の太刀筋は技術です。私が学んできたのは技であって技術とはちがう。
 技術と技では、技術が高いほうが有利ということです」


「よく分かっているではないか。本当に貴様は武人の鏡だな」


「あの、よく分からないのですが…」


小さく手を上げながら、悠陽がアーチャーに尋ねた。


「つまり私が扱う剣術は戦闘のために特化した唯の技術に過ぎん。だが、紅蓮の剣術は一振り一振りが技だ。つまり一撃でも当たれば必殺になるが、私の場合は必殺にはならない」


アーチャーの説明によく分からないといった顔で悠陽は首をかしげる。


「殿下もそのうちわかるようになります」


「そうなのですか?」


「私に聞かれてもな……」


こうして、この日はアーチャーが色々と悠陽に説明することで終わった。





国連太平洋方面第11軍・臨時基地




薄暗い室内には、大きなディスプレイを中心に、周りには小さなディスプレイとオペレーター達。

中央の画面には奇怪な巨大オブジェが映し出されている。


「準備は?」


中央指令台で画面を見つめながら、男が白衣を着た隣の女性に声をかけた。


「ほぼ完了しています。あとは米軍の準備とG弾を待つのみですわ」


「そうか」


「帝国からも支援をするとの事です」


「あちらも苦渋の決断だろうな」


「ええ、この国の本土にG弾を撃ち込むのですから」


「私は国連所属だからあまり大きな声では言えないが、やはりG弾を使うのは……もし、私の祖国で同じ事を行うとすれば、私は耐えれないだろう」


白衣の女性はその言葉に画面から目をそらし、下に視線を落とした。


「日本人の君には酷な事ではないかね?」


「……それでも、オルタネイティブ4には必要なのです、G元素がそしてBETAのデータが。そのための犠牲は覚悟しました」


「人類のためと言って、世界は日本を犠牲にするか……まったく、やりきれんな」


画面に映し出された奇怪なオブジェは不気味なぐらい変化がなかった。








あとがき

第二話終了~!
今回は、魔術についての説明とアーチャーの現時点の力についてでした。
次回は明星作戦です。この物語は武がこちらにやって来るだいたい2年前から始まります。
つまり1999年からのお話です。その為、独自設定が多数入りますのでご注意を。
で、召喚について掲示板で議論されていたので一言。
一応納得できる形で召喚理由は考えております。それがどの場面で出るかなどは答えられません。
独自設定・独自解釈がこの小説では多くなるので、突っ込みどころは沢山あると思いますがご容赦を。
ちなみにアーチャーは戦術機には乗りません。なぜならタモがアーチャーが戦術機に乗るところ想像出来ないから!


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[ 2013年10月16日 15:06 ] カテゴリ:Muv-Luv/錬鉄の近衛騎士 | TB(0) | CM(0)
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地球外生命体タモちゃん

Author:地球外生命体タモちゃん
惑星タモタモから来た調査員

趣味 読書、昼寝、料理
好食 梅干おにぎり
嫌食 刺身(生もの全般)

マッタリ、モッタリ生きていますので(^ー^)ノ ヨロシク  

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