世界の果ての赤き丘

二次小説、日々の地球人観察記などを書いています。
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赤い丘より新たな世界へ 18

「きゃ!」

「ひゃあ!」

「やんっ!」

突如、大浴場でキャアキャア騒いでいた3-Aの一部の者たちが、かわいい悲鳴を上げた。

「どうしたんですか?」

悲鳴を上げたまき絵にネギが不思議そうにたずねた。

「やだもーネギ君。そんなこと言っちゃって!」

「ネギ君のエッチ~おませさん何だから~!」

「はぁ……あの何のことかよく分からないんですけど…」

「じゃあ、……この手は何!」

そういうと佐々木まき絵は勢いよくお湯に手を突っ込み、何かを掴んだ。





赤い丘より新たな世界へ18






「……あれ、なんだろこの太くて毛むくじゃらなのは?」


「ぼ、僕じゃないですよ」


まき絵はゆっくりと、手のひらに握り締めた毛むくじゃらの太い何かをお湯から出す。

湯気の間から現れたのは白い毛皮の…


「ネ、ネズミー!」


そう叫ぶとまき絵は掴んでいたネズミと思われる動物を放り投げた。


「キャー、ネズミだー!」


「イタチだよ!」


そのまき絵の近くにいた面々も、それを聞いてパニックに陥る。

こんな所にいるネズミと言えばあの薄汚いドブネズミと相場が決まっているからだ。

そして、パニックと言うのは水面の波紋の様に広がるもの。

数十秒後には、阿鼻叫喚の騒ぎになっていた。


「おい、向こうでなんか騒いでるぞ」


「何やってるのかしらね?なにか出たみたいだけど」


騒いでいた3-Aメンバーと離れてお湯に使っていた遠坂凛と長谷川千雨他数名は、騒ぎの中心に目を向けた。

目に飛び込んできたのは、何かの影が縦横無尽に飛び回り、次々とクラスメートが裸になっている光景。


「あぁ? 何やってんだあいつら。いくらなんでも裸はやり過ぎだろ……。ん? なんだあの白いのは」


長谷川千雨は曇った眼鏡を拭いながら、よく見ようと騒ぎの中心に近づこうと立ち上がる。

と、突然後ろから手をつかまれた。


「遠坂さん?」


後ろを振り返ると真剣な顔をした遠坂凛が千雨の手を掴んでいた。


「長谷川さん、今すぐお湯から上がりなさい。そこのあなた達も」


「はぁ?」


側にいた他の生徒にそう言うと凛は立ち上がり、すぐさま騒ぎの中心へお湯を蹴立てて向かっていった。


「…なんなんだ?」


後に残された長谷川千雨は、風呂から出ろと言われた理由が分からず首を捻った。






校舎屋上



「何もないな」


士郎は遠坂たちを探すために、見晴らしの良い校舎屋上に来ていた。

もともと魔力の探知は苦手なため、肉眼で探索するためだ。

ぐるりと周囲を見渡してみるが、特に異常はない。

視界に広がるのは穏やかな光に包まれた、学園都市の夜の風景。


「う~ん、一体遠坂たちは何処に行ったんだ?」


いろいろと士郎が考えていると、背後に微かに人の気配が生まれた。


「……だれだ?」


振り向きながら言うと、ゆっくりと屋上の端の暗がりから誰かが出てくる。


「わしじゃよ、衛宮君」


月明かりに照らされて現れたのは、学園長だった。


「どうしたんですか、こんな夜に?」


「いや、月がきれいなもんでな。一杯飲もうかとの。
 どうじゃ、付き合わんか?」

「いえ、ちょっと遠坂を探しているので……」


「大丈夫じゃよ。この学園にいる限りは余程のことがないと大事に見舞われる事はない。それに遠坂君の居場所は把握しておる」


「ですが、侵入者がいるようですし……」


「ああ、ああ、いいんじゃ、いいんじゃよ。その侵入者はわしも知っておるからの。少々悪戯が過ぎるようじゃがほっといて構わんよ。
 それより飲もう、年寄りに付き合ってくれ」


「はぁ、じゃあご馳走になります」


そう返事をすると、学園長は懐から日本酒と杯を取り出した。

どこに入っていたんだ?


「ほれ」


学園長に杯を渡される。


「あ、学園長どうぞ」


トクトクと学園長の杯にお酒が注がれた。


「おお、こりゃすまんな」


「いえいえ」


そうして月明かりの下、静かな酒盛りが始まった。






女子寮大浴場


明日菜は呆然としていた。

悲鳴が聞こえたので、急いで女子寮の大浴場にやって来たのだが、そこで繰り広げられていたのは、裸のネギと裸の3-Aクラスメート達があちらこちらに走り回っている光景だった。


「な、何やってるのあんた達はー!」


明日菜は吼えた。いくらなんでもちょっと悪戯の度を越えていて、やり過ぎである。

しかし、そんな叫びも逃げ惑う女の子達の悲鳴によってかき消され、本人達には聞こえない。

と、そこへ


「明日菜! そいつ捕まえて!」


「と、遠坂さんまで裸に! 何やってんの!」


「いいからそいつを捕まえろー!」


「はい!」


凛の怒りを含んだ絶叫に、明日菜は自分にすばやく近づいてくる白い物体に気づく。

反射的にガッと側にあった風呂桶を掴むと飛び掛ってきた物体に勢いよく叩きつけた。

パコーンと吹き飛ばされる白い物体。


「どいて、明日菜!」


凛は明日菜の前に立つと鬼のような表情で、ガンドを連続して吹っ飛ぶ白い物体に叩き込む。クラスメートの存在など知ったことかと言わんばかりに魔術を使いまくる。


「おら、おら、おら! 死ね。死ね。死ね。死ねぇー!」


ついには、ガンドの攻撃に耐えられず、轟音をたてて大浴場の壁が崩壊した。それでも凛は崩れた瓦礫に向かって執拗にガンドを撃ち続ける。

その光景に全員いっせいに壁際まで引く。なぜなら優等生の本性を垣間見た瞬間だったからだ。


「あ、あの遠坂さん~」


そのなかで、過去のトラウマに耐えながら明日菜が凛に声をかけた。


「はぁ、はぁ、はぁ、ごめん明日菜。……今私に近づくと怪我するわよ」


「ふぁ、ふぁい!」(ひー遠坂さんめちゃくちゃ切れてる~)


攻撃をやっと止めて、明日菜に返事しながら、凛はゆらりと土煙が漂う瓦礫に向かって歩き出した。






校舎屋上



「なぁ、衛宮君」


「なんですか、学園長?」


静かに酒を飲んでいると、学園長が急に声をかけて来た。


「君達は結婚しておらんのか?」


「ブハッ」

突然、学園長がそんな事を聞いてきた。


「いきなりなんですか!大体、誰とですか!?」


「いや、遠坂君と君じゃよ。君達本当は26歳なんじゃろ? 結婚していてもおかしくない年じゃし、二人とも好き合っているようだしの
 向こうで結婚しとらんかったのか?」


学園長の言葉にちょっと時間がとまった。

今まで遠坂と結婚など考えた事がなかったのか?と言われればあったと思う。ロンドンにいた時の事だ。

だが、結局それは遠坂には言えなかった。自分が追いかける理想のために遠坂の幸せを壊したくなかったからだ。

その後は、なるべくその事は考えないようにしてきた。

まぁ、向こうでは毎日が戦争でそんな事を考える余裕なんて全くなかったということもあるが……


「いや……結婚してませんよ。一度は考えたことはありますけど、結局言えませんでした。彼女の幸せを壊しそうでね
 といっても向こうでは、ほぼ一緒に毎日行動してましたし…その…こう、なんというか、色々な関係も持っていましたから事実婚に近い形でしたけど」


「……なんか遠坂君がかわいそうになってきたの。あぁ、乙女の夢ウェディングドレスを遠坂君も着たいじゃろな~どっかのへたれのせいで、それもかなわんとは……
 あぁ、なんてかわいそうなんじゃ!というかこの話からあわよくば木乃香と衛宮君がお見合いして、一気に結婚してくれないかという策略を練っていたのに……」


「うっ!た、たしかに遠坂には悪い思いをさせているかもしれませんが、でも俺は遠坂の事を愛してますしこれからもこの思いは変わりません!」


「わかった、わかった、そんな恥ずかしい台詞をよく言えるの。こっちがあてられてしまうわい」


「す、すいません。でも本心です!」


「まぁ君のその一途な気持ちは良く分かったが、あんまり待たせると愛想つかされるぞい」


「むぅ…」





衛宮家


「ただいま」


学園長との酒盛りが随分長引いてしまった。

ちょっとほろ酔い気分になった所で酒がなくなったので、お開きになったのが11時。

家に帰ってみると明かりが着いていたので、2人が帰って来ていることがすぐに分かった。

だが、

「あれ? 遠坂~ネギ君~!」

返事がない。

とりあえず唯一電気がついている居間行く。


「ただ…い…ま」


なんだろうこの光景。

ネギ君と明日菜が何故か椅子に正座して、青白い顔をして振るえながら座っていた。

彼らの目の前のテーブルには縄で縛られた元は白いと思われる汚れた何かが無造作に転がされていた。

「ネギ君、これなんだ?」

「あ、あのこれは「あら、お帰り士郎」……」

ネギ君が何かを言おうとした時、ちょうど遠坂が奥の扉から入ってきた。

ニコニコしながら、血がついた釘バットを引きずりながら……


「ど、どうしたんだ?」


「なにが? 私がどうかした?」


「遅くなったことを、お、怒ってるのか?」


「別に怒ってないわよ?あんたとは関係ない事には怒っているけどね……」


そう言うとテーブルの上に無造作に置かれていた何かに低い声でぼそりと言った。


「起きてるわね。まずは言っておくわ。あんたは言ってはいけない事を私に言った。その罪は海より深く、山より重いのよ
 分かる? つまりこれよりあんたの処刑を行うのよ。あぁ、言っておくけど弁明は聞かないわよ。
 既に私の中では死刑確定の判決が下っているからね」


その言葉にビクリと白い物体が動く。よく見るとイタチみたいな小動物だ。


「今からする事は分かっているわね?」


「ひぃ、たす…たす…」


イタチが何か喋ろうとする。


「と、遠坂さん。か、彼はですね、ぼ、僕の友達で…」


「だから? 私に向かって堂々とあんな事を言いながら、しかも触った……絶対に許さないわ!」


開いた口が塞がらない。遠坂が何を言っているのかもわからないし、何より転がされているイタチらしき動物が懇願するような目でこちらを見ている。

それはもう、某金融会社のCMに出ていた犬のような目でだ。それを見た神楽坂も視線で何か合図している。

とりあえず俺は、この騒ぎの原因を遠坂に尋ねた。


「で、遠坂。何があったんだ? 触ったとか言ったとか何のことだ?」


ゆっくりとこちらを振り向くと、いきなり涙声で語りだした。


「し、しろう~。こいつが、こいつが、私を裸にして胸に触って『ふ、貧乳か…』て言ったのよ!こんな、こんな小動物に私の苦悩を笑われたのよ!」


「触った……!?」


この時、俺は少々酔っ払っていた。まぁ、それが引き金になったと言えるだろう。


「そうか、つまりそいつは遠坂の胸を触ったのか…」


たとえばの話だが、知らない奴に彼女を裸にされ、胸を触られ、挙句に彼女を馬鹿にする発言をされたら、その彼氏はどう思うだろうか?

答えはぶち切れである。

つまりそういう事だ。


「おい、そこの小動物。今の話は本当か? 正直に答えろ」


「士郎さん?」


「ああ、ネギ君。そんなに怯えなくても大丈夫だ。君は関係ないからね」


「ですが…」


「これはそこの小動物と俺との問題だからな。大丈夫だよ、たぶん殺しはしない」


「殺、殺し!?」


「さて、小動物。質問の答えは?」


ガクガク震えながら、必死に逃げようとする。

もちろん、遠坂によって紐で縛られていたので逃げられるわけがない。


「もう一度聞く答えは?」


「ご、ごめんなさい。わわわわ、悪ふざけがす、すすすす過ぎました。おおおおお許しを」


「「……死ね!」」


その後の話は秘密だ。遠坂と俺が共同であんな事やそんな事をやったとだけ言って置こう。

ただ、ひとつ言えるのは一応小動物は死ななかった。ゴキブリ並みの生命力を持っていたようだ。






あとがき

壊れ話の回でした。カモ君にご冥福を。
グダグダな構成になってしまいましたね。私にギャグは書けないと実感しました。
やっぱりシリアスに攻めないとね。次回からシリアスに突入?
結婚話はなんとなく出してみたかったから。

それにしてもしばらく執筆から遠ざかっただけでこんなグダグダになるなんて……orz


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[ 2013年10月16日 15:01 ] カテゴリ:赤い丘より新たな世界へ | TB(0) | CM(0)

赤い丘より新たな世界へ 17

麻帆良学園にとある場所で、ある会議が行われていた。

「やっぱり、ネギ君の様子はおかしいよ」

「そうだね。昼間のパートナー発言とか」

「あぁ、ネギ先生、この雪広あやかがいつでもパートナーになって差し上げるというのに」

「はいはい、パートナーの話は今は置いといて、やるの?やらないの?」

「もちろんやるよ。ね、みんな!」

「「「「オオッ――――――――!!」」」」

かくして動き出すのは、小さな小さな陰謀。





赤い丘より新たな世界へ17





少し暖かくなってきた午後の昼下がり、
俺はエヴァンジェリンの後ろを少し距離をついて歩いていた。

「貴様は何時まで、私の後をついてくるんだ?」

「む、そんな事言われても、俺には位置が分からないし、それにエヴァンジェリンが危ないかもしれないだろ」

「くっ、何処までも真祖を馬鹿にして」

「……君より凄い真祖をしってるからな」

絶倫メガネLOVEの真祖、猫真祖、その名もワルクエイ…もといアルクェイドという真祖を。

「なんか言ったか?」

「いや……」

エヴァンジェリンが侵入者を感知して、既に30分が経っていた。
とりあえず、侵入場所に行き、そこから痕跡を辿っているところだ。

しかし、ゆっくりとした歩みでいいのだろうか。

「エヴァンジェリン、もう少し急いだほうがいいんじゃないか? 侵入者なんだろ」

「衛宮先生。マスターは魔力を封じられて、索敵能力が落ちています。
 そのため痕跡を探るのに時間をとられているのです」

「おわっ! ど、何処から出てきたんだ!」

突然、エヴァンジェリンの魔法使いの従者である絡繰茶々丸が、エヴァンジェリンと俺の間にヌッと現れた。

絡繰茶々丸、エヴァンジェリンとドール契約を交わしたロボットらしい。
正確にはガイノイドタイプのロボットとの事。
学園長から貰った資料によると麻帆良学園内の大学部で作られたそうだ。
見た目は普通の女の子なので、本当にロボットなのか?と思ってしまう。

こちらに茶々丸はチラリと視線をやると、俺の驚きに反応は見せず、エヴァンジェリンに尋ねた。

「マスター、何故衛宮先生がいるのですか?」

「……勝手についてきてるだけだ。ほっとけ。
 それより侵入者だ。ここまで辿ってこれたが、どうも妖精みたいなのだ。魔力が小さくて痕跡が消えかけている。
 できるか?」

「はい。では、索敵に入ります」

カシャという音とともに、茶々丸の頭の上にニョキとアンテナが生え、クルクル回りだした。

「……うん。確かにロボットだ」

その光景を目の当たりにすると、納得してしまう俺だった。





「ネギ――――――ッ」

明日菜は夕暮れの学園を走り回っていた。
さっきまで昨日の件があり、ネギのことが心配だったので一緒に寮まで帰っていたのだ。
ところがちょっと目を話した隙にいなくなってしまった。
明日菜の脳裏によぎるのはエヴァンジェリンの悪魔のようなニヤリと笑う顔。

「……まったく。世話を焼かすんだからっ!」

そんな事をぶつぶつと言いながらも足は止めず、視線をそこら中に飛ばす。

「ネギ―――――――ッ」

「何をやってるんだ神楽坂?」

とそこへ士郎がやって来た。

「あ、衛宮先生。ネギが…て、何でエヴァンジェリンと一緒にいるの!」

明日菜が視線を横にずらすと衛宮士郎の隣にエヴァンジェリンと茶々丸がいた。

「ほう、たいそうなご挨拶だな神楽坂明日菜」

「衛宮先生とエヴァンジェリンが一緒にいるいると言うことは…グルだったの!?」

「はぁ……なんだその安直な考えは」

余りにも短絡的な考えにため息しか出ない士郎。

「だれがこんな男と……この男が勝手に私についてきているだけだ」

フンッと顔をそむけながらエヴァンジェリンが明日菜に言う。

「エヴァンジェリンに勝手についてくる……」

信じられないと言う目で明日菜は士郎を見る。
その目はやっぱりこいつは…という猜疑心に満ちた目だった。

「あんたついにロリコンストー「違うからな。勘違いするなよ神・楽・坂!」…じゃ何で?」

「お前には関係ない神楽坂。それよりネギ君を探していたんじゃないのか?」

そこでようやく明日菜はネギのことを思い出した。
エヴァンジェリンのほうに向き、噛み付くように言う。

「そうだった。あんたネギをどこにやったの!」

髪を逆立てながらビシッとエヴァンジェリンを指さした。
その手を鬱陶しそうに払いのけて、即答する。

「しらん」

「ほんとに?」

「しらんと言ってるだろう。嘘じゃないぞ。そこの男に聞いてみろ。今日一日ずっと私の後ろからついてきていたからな」

すかさず明日菜は士郎に視線を移す。その視線の中からは猜疑心の色は落ちていない。
げんなりしながらも正直に士郎は答えた。

「ああ、今日はエヴァンジェリンは何処にも行ってないぞ。昼間からずっと俺が見ていたからな」

「じゃあネギは何処へ……」

心配そうにつぶやく明日菜に、エヴァンジェリンがからかう様に言った。

「ふふっ、やけに、あの坊やのことを気にかけるじゃないか。情が移ったか神楽坂明日菜?」

「な…あんたには関係ないでしょ!とにかくネギには手を出したら許さないわよ!」

そう言って顔を赤くした明日菜はネギを探しに別の場所へ駆けていった。
それを見送った後エヴァンジェリンが言う。

「ふん、ガキだな。で、衛宮士郎、貴様はどうする?いつまでも私の後をつけても意味が無いぞ。もう今日は帰るからな」

「え、侵入者はいいのか?」

「まぁ、侵入者といってもこの感じからして妖精が迷い込んだのだろう。害は無いが悪戯をするから気をつけることだな」

「わかったよ。忠告ありがとう」

士郎はなんとなく頭に手を置き、なでなでしようとする。
その手を強引に払いのけながら、エヴァンジェリンは士郎を睨みつける。

「ッ!子ども扱いしおって……衛宮士郎、爺から何を言われているか知らんが、私の邪魔をするのなら力ずくで排除するぞ。
 私は『闇の福音』。数多くの人を殺した賞金600万ドルの真祖だ。あまり舐めるなよ」

そう言い放つとエヴァンジェリンは茶々丸を伴って家に帰っていった。
その後姿を眺めながら士郎が思い出すのは、白い少女と自身の罪。

「ふふふ、ついイリヤを思い出して頭を撫でるところだった。
 ……数多くの人を殺した600万ドル賞金首か。
 エヴァンジェリン、俺はたぶん君以上に人を殺しているよ」

寂しそうにに呟く士郎の言葉は、だれにも届かない。





衛宮家


「ただいま~」

シーンと家の中は静まりかえっていた。
気配が少しもしない。寝ているはずの遠坂の気配さえもなかった。

「あれ?どこかに出かけたのかな」

一応遠坂の部屋も覗いてみたがいなかった。

「何処に言ったんだ?」





女子寮


「あ~広いお風呂はいいわね~」

ここは麻帆良学園女子寮大浴場である。
その広大な浴場で、遠坂凛は足を伸ばしてリラックスモードで湯に使っていた。

目の前で行われている3-Aによる『ネギいじり』を眺めながら。

なんでも「ネギ先生を元気づける会」らしい。
実際は生徒による担任へのセクハラにみえる。

「あはは、ネギ君のちっさくてかわいい~」

「おっきくしてみよっか!」

「え、10歳やしおっきくならんやろ」

セクハラの度を越している目の前の光景を見ながら、クラスの中でおとなしい人達の中の長谷川千雨が、凛の側にやってきて声をかけた。

「なぁ、遠坂さん。あんたネギ先生と同居してるんだろ。私が言うのも何だが、あれ、止めなくていいのか?
 なんかもう、元気づける会を通り越してすげー逆セクハラだし」

「いいじゃない。若者は激しいのがいいの。貴方も行ってきたら?」

「若者は……て、あんたも同い年だろ。大体なんで私があんなお祭り連中とかかわらなきゃいけないんだ」

「だったらほっときなさいよ。その内しらけておさまるでしょ。
 大体10歳の男の子が女の子の水着姿で恥ずかしがることはあれ、普通は喜ばないわよ」

「まぁ、それはそうだが……」

だが、長谷川千雨は思った。目の前で繰り広げられている光景。
どっちかと言うと女子が異常に興奮して喜んでる気がする。特に委員長とか鼻血を大量に出してハァハァしながら、ネギににじり寄っている。目が怖い。

「いっか。私は関係ないからな」

そんな光景を見ながらも、長谷川千雨は自分に害は及ばないと判断し、ほっとくことにした。自分に不利な事がない限り人間そうは動かないのだ。


「ちょっとー、何処触ってんですか! あ、見ないでください~!突かないで~!」



エヴァンジェリン家


「茶々丸、準備は」

フリルがたくさん付いた漆黒のゴスロリファションに身を固めたエヴァンジェリンが茶々丸に尋ねた。

「計画は順調です、マスター。このままで行けば数日内で実行に移せます」

「そうか……」

「? どうかしましたか、マスター」

何かを考えるかのように虚空を眺めだしたエヴァンジェリンに茶々丸は尋ねた。

「茶々丸、衛宮士郎と遠坂凛をどう思う?」

その質問に数秒、間をあけて茶々丸は答えた。

「わかりません。彼らの力は未知数と考えます。衛宮士郎、遠坂凛両名ともあらゆる手を使って調べましたが、情報がまったくありません。
 また、マスターのご指示通り衛宮士郎と桜咲刹那の退魔の仕事を監視しました」

「それで?」

「前回マスターが衛宮士郎と戦った時と同じくアーティーファクトを使用しました。
 ですが、アポーツによる物体移動の空間の捩れは観測されていません。
 恐らく、あれは魔力で1から造った物かと思われます」

「馬鹿な! あれだけの魔力を帯びた物を1から一瞬で作り出すだと!そんなことありえない……」

エヴァンジェリンは茶々丸からの報告に驚愕した。
アーティーファクトとは、術者とその従者とで交わされた事により得るか、職人が魔力を得物自体に練りこんで長い年月をかけて作り出すしかないのだ。

「いや、私との戦闘の時、剣を爆発させていたな。熟練した戦士が自身の武器を壊すことは、そうそうにない。
 つまり、壊しても構わないぐらい剣を所持しているか、作り出すか。
 しかし、媒体もないのにどうやって造ってるんだ? まさか本当に1から全部魔力を練って造っているのか? いや、それでは効率が悪い。それにいくらなんでも、あの速度で魔力で1から造るなど……
 呪文も唱えていなかったようだし、系統は錬金術よりか」

ぶつぶつと自分の思考に嵌るエヴァンジェリンに茶々丸が言った。

「マスター、衛宮士郎の呪文は記録済みです。「trace on」が恐らく始動キーで、「I am the bone of my sword.」が呪文かと」

エヴァンジェリンはポカンとして、開いた口が閉まらなかった。

「……一体何処に英語の呪文を唱える魔法使いがいる。奴のことがますます分からなくなった」

魔法使いが英語で詠唱するなど聞いたことがない。大抵の魔法使いはラテン語または古典ギリシア語で詠唱する。
始動キーは詠唱前のパスワードみたいな物で英語、フランス語、キリル文字など幅広いが……

「私が生きてきた中で英語の呪文など……新しい系統の魔法使いなのかも知れんな」

「遠坂凛のほうですが、彼女はまったくの未知数です。無詠唱でかなり強力な魔法は使えるようですが……」

「あぁ、正直私もあの女があの程度の魔法しか使えないなどありえない。だいたい爺が連れて来た奴があれだけの力しかないなど、もっとありえないな」

「いかがいたしますか、マスター」

茶々丸がエヴァンジェリンに指示を仰いだ。

「……監視を続けろ。特に遠坂凛の監視を強化しろ。衛宮士郎の攻撃方法は大体把握した。後はあの女だ。
 攻撃方法さえ分かればこちらも対策は練れるからな」

「了解しましたマスター」





あとがき

正直ごめん。話伸ばしすぎだorz
なかなか話が進まない。
今度からプロット作成時より原作削りをかなりしようかな。

目標は原作1話につき小説1話で進めよう。

これならいいかなと思います。
最近、新人の世話で忙しいので不定期更新が続いていますが、がんばります。
皆様末永いお付き合いをお願いいたします。

アルベール・カモミールごめんな。また君は出てないよ;;


[ 2013年10月16日 15:00 ] カテゴリ:赤い丘より新たな世界へ | TB(0) | CM(0)

赤い丘より新たな世界へ 16

「う、う~ん……うん?」

明日菜が目を覚ますと、自分の担任であるネギ・スプリングフィールド顔が目の前にあった。





赤い丘より新たな世界へ16





「キャ―――――!」

「ごべらっ!ぶぼっ!」

突然の事態に明日菜は気が動転してしまい、目の前にあるネギの顔を思わず殴る。
明日菜の強烈な一撃を、寝ていたため無防備で受けたネギは、横回転しながら部屋の壁まで吹き飛ばされた。

「あ、あんた―!どこから入ったのよ!」

顔を真っ赤にしてネギに詰め寄より襟を掴んで前後にシェイクするが、すでにネギは目を回して気絶していた。

「むぅ~明日菜どないしたん?」

騒ぎを聞いて目を覚ました、明日菜の同室の近衛木乃香が寝起き顔でこちらを見ている。

「こ、木乃香、この変態教師が私のベッドに入ってたのよ。まったく、信じられない!
 いくら子供だからってやっていい事と悪いことがあるって言うのに」

そう言って、ペイッとごみを捨てるかの様に掴んでいた襟から手を離す。
もちろんネギは気絶しているため、その場にベチャと買ったばかりのアイスクリームがコーンから落ちた時の様に潰れた。

「あ~、あのなぁ明日菜」

同情の眼差しをネギに向けながら、興奮する明日菜に木乃香が言う。

「何よ?」

「ネギ君がここにおるんのはな。昨日の夜、明日菜が倒れたからってここまで運んできてくれたからなんよ」

「はぁ?私が倒れたっていつ……。アッーーー!」

そこでようやく明日菜は昨日の夜の事を思い出した。

(確か昨日の夜、桜通りでのどかちゃんが吸血鬼に襲われて、その場に偶然居合わせたネギが吸血鬼を追いかけて行ったんだっけ。
その後を私が追いかけて……追いかけてどうしたんだっけ?)

「ネギ君ずっと心配して看病しててくれたんよぉ?ほら、頭ぶつけたから心配やって」

そう言うと木乃香が手鏡を明日菜に差し出す。
明日菜はそれを受け取ると自分の顔を鏡に映した。

「な、何よこれ~!」

そこに映っていたのはおでこに円形の痣をつけている自分の顔だった。






学園長室


「そうか。いや、報告ご苦労じゃたな衛宮君」

ふぉふぉふぉとバルタン笑いをしながら朗らかに学園長が言う。

「はぁ、本当に大変だったんですよ?特に最後が……」

「ん?何か言ったかの?」

「いえ、何でもありません」

結局、昨日の夜のエヴァンジェリンと遠坂の口喧嘩は明け方まで続いた。
終了の合図は、日が出てきたのに気がついたエヴァンジェリンが帰ると言い出したからだ。
恐らく、日が出てきて魔法が使えなくなったからだろう。校舎の屋上から立ち去ろうするエヴァンジェリンと茶々丸に、遠坂は最後まで罵詈雑言を・・・・
その遠坂も先ほど家に立ち寄った時に、疲れたから報告は任せると言って、さっさっと自分だけ寝てしまった。
まぁ、あれだけ壮絶な口喧嘩をすれば疲れるだろう。


「で、ネギ君は大丈夫かの?」

「大丈夫とは?」

「エヴァに勝てるか? と言うことじゃよ」

「それは……勝てるかどうか言われれば、ほぼ勝てないでしょう。
 エヴァンジェリンの経歴が話どおりであれば、経験の差で圧倒的にエヴァンジェリンが有利です」

先日、学園長から吸血鬼がエヴァンジェリンという事を聞いた俺たちは、彼女について色々調べていた。

本命 Evangeline.A.K.McDowell
推定年齢600歳前後。
特殊な生い立ちの為、多くの刺客に狙われ、その全てを跳ね除けて今まで生き続けて来たそうだ。
魔法会では賞金600万ドルと言う莫大な賞金がかけられている。
『闇の福音』という名で魔法世界では恐怖の対象だそうだ。


「まぁ、そうじゃろな。経験の差が大きいからの。
 それでは君たちは如何するのじゃ?ネギ君を助けるのか」

「いいえ。様子を見ます。遠坂は徹底抗戦と言っていましたが、俺はネギ君の成長のためにも、この戦いは必要だと思います」

きっぱりと俺の考えを学園長に話した。

「……ほぉ、それは君の経験からかの?」

すると学園長が目を細めながら何かを探るように俺に尋ねる。

「……そうですね。俺の時はこんなもんじゃなかったですけど」

そう、俺が経験したのはこんな生優しい物ではなかった。

聖杯戦争。
知略と暴力が渦巻き、憎悪と欲望が蔓延る殺し合い。
あの時の経験が結果は如何あれ、俺をここまで成長させたのだ。
ネギ君はまだまだ甘い。
子供だからと言うこともある。
だが、いずれにしても、いつか彼は見なくていけない。知らなくてはいけない。
こちらの裏の世界はまだ知らないことが多いが、裏の世界は何処まで行っても裏なのだ。
危険な事に関わると言う事が、どんな事なのかを彼は知らなくては。

「すまんな。嫌な事を聞いたようじゃな」

余程深刻な顔をしていたのだろう。学園長がそう俺に声をかけてきた。

「いえ。気にしないでください」

「そうか。では傍観と言うことじゃな」

「はい。我侭言ってすみません」

「いいんじゃよ。わしもネギ君にはこういう経験は必要と思うからの。特にナギの息子であるネギ君はな」




その頃、ネギは明日菜に昨日の事を話しながら学園に向かっていた。おでこの痣については転倒した時についたと話した。

「ふ~んなるほどね。エヴァンジェリンが吸血鬼だったんだ」

「ええ、だから学園に行きにくくて」

ネギの脳裏には昨日のことが浮かぶ。

迫りくる鋭く伸びた犬歯と朱い唇。
チラリと覗く舌。
そして何よりもエヴァンジェリンの愉悦に浸った顔。

ごくりと喉がなる。
そんな青ざめたネギに明日菜が何でもないように声をかけた。

「大丈夫よ。学校で襲ってきたら校内暴力とか言って停学にすればいいじゃない」

「そ、そ、そんな単純な話じゃないんですよ!」


キーンコーンカーンコーン


「あ、ほら鐘が鳴ってる急ぐわよ。教師が遅刻なんて恥ずかしいでしょ」

そう言うと明日菜はネギの腕を掴むと駆け出した。

「あ~ん、ちょっと待ってくださいよ。まだ心の準備ができてません!」




衛宮家

学園長の報告が終わると、俺は一旦家に戻った。

「ただいま、遠坂~寝てるのか?」

家の中から返事は無い。寝ているようだ。
とりあえず、来ていた服を脱ぎ、シャワーを浴びる。

風呂から上がるとジャージに着替え学校に行く準備をした。
最初の頃はスーツを着ていたが、用務員の仕事もするようになって最近はジャージで通っている。
家を出る前に遠坂の部屋に立ち寄り様子を見た。

ベッドの上でスゥースゥーと寝息を立てて寝ている。なぜか下着姿で。
昨夜着ていた洋服は、ベットの周りに脱ぎ散らかしてあった。

「はぁ、もう少しこういう所はキチンとしてくれないかなぁ」

そうつぶやくと、起こさないように部屋に入り、脱ぎ散らかしてあった服を集めて畳み、部屋の椅子の上に置いておく。
まだ、肌寒い季節なので寝ている遠坂に毛布をかけた。
それがすむと、小さな声で「お休み」と言うと、俺はゆっくりと音を立てないように部屋から出て行った。




麻帆良学園 3-A教室前

「ど、どうですか?エヴァンジェリンさんはいますか?」

オドオドしながらネギは明日菜に尋ねた。
明日菜は教室の扉から首だけを中にいれ見回す。

「いないわね。そういえば普段からエヴァンジェリンはあんまり見かけないわよ。ねぇ木乃香」

「そやねぇ。ウチもあんまり見いへんわ。授業中もおらへんしなぁ」

二人の言葉にネギはホッと息を吐き、教室の扉に手をかけ開けようとした。

「ネギ先生」

「わあぁ!」

突然ネギは後ろから声をかけられ飛び上がった。
声をかけてきたのは、昨日の夜にエヴァンジェリンと一緒にいた茶々丸だった。

「あ~、茶々丸さんおはよう」

のんきに挨拶する木乃香とは対照的に、ネギの顔は死人のように青ざめた。
話を聞いていた明日菜は身構える。
と、茶々丸の側にエヴァンジェリンがいないことに気づいたネギは恐る恐る尋ねた。

「エ、エヴァンジェリンさんは?」

「―――マスターは学校には来ています。
 ですが教室には来てません。つまりサボタージュです」

「よ、よかった」

「……お呼びしますか?」

「とんでもないですぅ。結構です!」

「……そうですか」




麻帆良学園屋上


「こういうのって普通は水道局の人がするのかな?」

そうぼやきながらも俺はパイプの破損箇所を探した。

ここは麻帆良学園の屋上。ここにいるのは昨日のネギとエヴァンジェリンの戦闘で貯水タンクのパイプが破損したらしい。
その修理を学園長に頼まれたからだ。

「――――同調、開始」

魔術を使い、破損箇所を調べる。

「全部で5ヵ所か」

漏れ出した水は、屋上の端のほうにある排水溝へ流れているから周りは水浸しにはなっていない。
だが亀裂が5カ所あるのだ。相当の水が流れ出していた。

「こういうのをを塞ぐのは結構大変なんだけどなぁ。学園長も簡単に言ってくれる」

先ほどみたいにまたぼやく。
ここ最近、用務員の仕事を請け負う様になってから、学園長の注文がえらく多い。
やれ、階段の破損した床板パネルや校内の破損した壁を直せとか、木製ベンチの修理とか等だ。
そして、何より許せないのが3-Aの連中。
あいつら何をしたらこんなに壊すんだ?と思うほど机や椅子の破損が多い(偶に血糊がついているのは深く考えない)

「ネギ君一人でだいじょうぶかな?」

そんなことを考えながらも手はテキパキと動かす。
工具箱から取り出したチューブ型パテで亀裂箇所を埋めて、乾くまで待つ。
乾いたらその上にシートを巻き、またその上からパテを塗る。
投影の魔術を使ったほうが楽だが、こんなことに魔力を使いたくない。それにこの身は剣に特化した存在。
無理な投影は遠坂に禁止されている。

「よしっ。こんなもんかな」

1時間ほどで作業は終了した。
ずっとかがみこんで作業していたので、うーんと背筋を伸ばしコリをほぐす。
と、そこで屋上に誰かいる事に気がついた。
日陰の部分で、誰かが壁に背を預けて寝ているようだ。さっきまで屈んで作業に集中していたから気がつかなかったらしい。

「あれ、いま授業中じゃないか。まったく、サボりだな」

そんなことに気づいた俺は授業をエスケープしてきた生徒を注意しようと近づく。

「君、授業をサボっておひるね……」

「ふわ~あ。ん?」

しばし見詰め合う。

「「あ―――――!」」

そこで寝ていたのはエヴァンジェリンだった。

「貴様、ここで何をやっている!」

すかさず戦闘態勢のエヴァンジェリン。そんな彼女に呆れながら俺は言った。

「なにってなぁ。昨日のお前たちの戦闘の尻拭いだ」

「はぁ?」

「昨日の戦闘で貯水タンクのパイプが破損したんだよ」

先ほどまで流れ出していた水の跡を指差して言う。

「そうか、それはそれはすまなかったな」

反省の色をまったく見せない棒読みでエヴァンジェリンが言う。

「……おまえなぁ、少しは反省しろよな」

「何故私が反省しなければいけないのだ。この学園に封印したのが悪いのだ。私がそんな事知るか」

「……」

「大体だな、お前たちが……」

突然エヴァンジェリンが話の途中に黙り込んでしまい、顔を下げた。

「? どうした?」

「……小さいが、何か来たな。学園の結界を越えた者がいる」

唐突にポツリとかわいらしい唇から漏らした。

「なんだと」

黙り込んでいたのは結界に集中していたためらしい。

「侵入者だ。調べに行く」

それだけを言うとさっさっと屋上から出て行こうとする。

「あ、おいちょっと待て。俺も行く」

「必要ない」

「何言ってんだ。危ないかもしれないだろ」

「……貴様誰に向かってそんなことを言ってるんだ?
 私は真祖の吸血鬼だぞ。そうそう遅れは取らん」

「お前こそ何を言っている。今は日中で、満月じゃない。昨日みたいに行かないぞ。
 それに俺も学園の警備員だ」

「……フンッ。勝手にしろ」

そう言うと彼女は屋上から出て行った。





後書き


最近どうも筆が遅く、文がめちゃくちゃになる傾向が・・・・・・
少々気が緩んでいるのかもしれません。
初心に帰ってがんばります。


[ 2013年10月16日 15:00 ] カテゴリ:赤い丘より新たな世界へ | TB(0) | CM(0)
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地球外生命体タモちゃん

Author:地球外生命体タモちゃん
惑星タモタモから来た調査員

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